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Kenbiコラム

第1回
日本人は欧米人より内臓脂肪が溜まりやすいって本当?  [8月2日]

残念ながら本当です。
 結論から言うと、脂肪になりやすい食事(飽和脂肪酸が多い肉類・乳製品が多い食事です)をとっていると日本人は欧米人より内臓脂肪がつきやすいばかりか、今、医学界で「筋肉の衰えを促進し、糖尿病や心疾患などの病気のリスクを高める」として話題になっている異所性脂肪(「日経ヘルス プルミエ」は“毒脂肪”と名づけました)までたまりやすいことがわかってきたのです。

 「異所性脂肪って何?」 そうですね、医学用語は難しいですね。これは、肝臓とか筋肉の中とか、本来たまってはい けないところにたまる脂肪のこと。肝臓や筋肉にたまるということは、体形に表れないため、見た目ではわからない。そして、見えないのに、全身の臓器や筋肉 の機能を低下させる怖い脂肪――それが異所性脂肪です。

 ではどのくらい、日本人には内臓脂肪や異所性脂肪がたまりやすいのか? 下の二つのグラフを見てください。やはり、きちんとしたエビデンスで、納得できないと行動に移すモチベーションも上がりませんよね。

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 最初の内臓脂肪のグラフを見ると、欧米人は皮下脂肪量が多く、内臓脂肪量はどちらも同じくらい、となっていま す。これを見て「内臓脂肪量は一緒じゃない」と思う人はあまり多くないとは思いますが、念のため解説すると、皮下脂肪と内臓脂肪を足した脂肪の総量中に占 める内臓脂肪の比率を計算すると、日本人の内臓脂肪比率のほうが約10%高いことがわかります。やれやれですね。

 2番目のグラフはさらにショッキングです。
 ちょっとわかりにくいかもしれませんが、グラフの縦軸は肝臓脂肪(異所性脂肪ですね)のたまりやすさを表しています。白人はBMIが30を超える肥満に なっても、BMI22~23くらいの日本人ほどしか肝臓脂肪がたまりません。BMI22といったら、ごく普通の体形です。つまり、普通の体形の日本人で は、もうかなりの異所性脂肪がたまっている可能性があるというわけです。おまけに、BMIが23を越えるあたりからどんどん危ない脂肪がつきやすくなって いきます。

 このように、日本人が西洋型の食事を、彼らと同じように食べていると、生活習慣病の原因となる脂肪がたまってしまいます。
 だから、私たちは、私たちの体に合った食生活をする必要があるのです。

 それは何か? まさに和食です。
内臓脂肪や異所性脂肪は、魚をしっかりとり、食物繊維が豊富な野菜の煮付け、大豆丸ごとの納豆といった食品をきちんととっていれば、それだけでたまりにくいことがわかっています。
 つまり、日本人が長い食経験の中で選んできた食事は、やはり私たちの体にフィットしたものになっている、ということですね。もしくは、そのような食に合わせて、私たちは自分たちの体をチューニングしてきた、ともいえるでしょう。

 こうした日本人の"特徴"を知っていれば、欧米人が食べているような肉が多い高カロリーの食事をメインすると危険なことがわかります。
 しかし、こうした情報は、皆さんになかなか伝わっていないのが現状ではないでしょうか? また、仮に目にしたとしても難解な用語や文章で、内容がよく理解できない、ということもよくあります。

 そこで、こうした私たちの健康維持のために重要な意味を持つ情報を、「どうやって」「どこから」入手し、「それ をどう読み解くか」というコツを身に付ける仕組みが必要ではないか、と10年以上にわたって"エビデンスに基づく正しい健康美容情報の提供"を心がけてき た「日経ヘルス」に携わる中で思いを強くしました。
 それをカリキュラムにし、学んでいただけるようにしたのが「健康美容コミュニケーター」養成講座です。
 皆さまの受講をお待ちしております。

著者:西沢邦浩(にしざわ くにひろ)

日経BP社 プロデューサー

1961年長野県生まれ。小学館を経て、91年日経BP社入社。開発部次長として『日経エンタテインメント!』創刊や、マイクロソフト社との共同事業『日経BPソフトプレス社』の創業などに携わる。98年『日経ヘルス』創刊と同時に副編集長に着任。2005年1月より同誌編集長。2008年3月に『日経ヘルス プルミエ』を創刊し、同誌編集長を務める。2010年7月より日経BP社プロデューサーと関連会社(株)テクノアソシエーツ、ヴァイス・プレジデントを兼務。

著者:西沢邦浩(にしざわ くにひろ)

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