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Kenbiコラム

第26回
喉が渇いたあなたの前に、水が半分入ったコップがあります。あなたは「もう半分しかない!」と考える"先回りタイプ"ですか、それとも「まだ半分ある」と考える"お気楽タイプ"ですか?�� [1月9日]

「まだ半分ある」と考えるタイプの寿命が長いようです。楽観的で“ごきげん”な気持ちを持ち続けている人は平均7.5年から10年長生きする、という研究報告もあります。
健康や病気の予防のために、食事に気をつけたり、意識的に運動を取り入れたりと、生活習慣に気をつかっている人は多いはず。でも、同じ食事をして、同じような生活習慣を持っていても、心のありよう次第で寿命が変わるとしたら?

「幸せな人、前向きな人は長生きする」ことを科学的に検証
 2011年2月、世界的に著名な科学雑誌『Science』に「Happy People Live Longer」(幸せな人は長生きする)と題した記事が発表されました。これは、幸福度と寿命に関連する過去の複数の研究事例を総合的に分析したもので、「いつもポジティブでいることが健康で長生きするための秘訣」と結論付けています(Science;331,542-3,2011)。
 しかも、驚くべきことに、先進国に住む多くの人で比較したところ、幸せを感じている人は、そうでない人に比べ7.5~10年寿命が長かった、というのです! 
 昨年、「若年から喫煙を続けている人は平均約10年寿命が短くなる」という日本人に関する喫煙者の長期観察研究の結果が発表されましたが(データ:BMJ,325,e7093,2012)、「ハッピー」は、これほど健康被害が甚大な喫煙の影響も帳消しにするくらい強力かもしれないということになりますね!

 でも、「人の生活なんていろいろなんだから、一概にそんなこといえないんじゃないの?」という反論もあるでしょう。そこで、前述の『Science』の記事の筆者は、以下のような研究を引いています。
 米国ケンタッキー大学が行った修道院の尼僧180人を対象にした「幸せ度と寿命」に関する長期にわたる追跡研究です。それによると、修道院に入所したとき幸せだと感じていた尼僧の寿命は93.5歳だったのに対し、あまり幸せだと感じていなかった尼僧の寿命は86.6歳と、約7年の開きがあったとのこと。つまり、ほぼ同じような環境で暮らしていても、心の持ち様でやはり寿命には大きな差が出るといえるわけです。

 仕事やプライベートで多くのストレスや悩みを抱える現代人。「くよくよしてもしょうがない」「明るく前向きに物事を考えよう」と思っても、なかなか自分一人ではできないのも事実。だからこそ、友人をはじめとしたまわりの人たちの力を借りて、楽しい環境や機会をつくっていきましょう。孤独でないだけで、死亡率が下がるということもわかっています(Arch Intern Med;23,172,14,1078-84,2012)。

 「昨年は色々あって大変だった」というあなた。
 2013年は心機一転、プラス思考で前向きな1年にしたいですね。

日々の生活の中に隠れている「幸せ」を見つけ出す
 マイナス思考になって気分が落ち込むと、「自分は不幸」だと悲観的になりがち。こんなときに意識したいのが、「自分」を客観的に見つめ直し、日々の生活の中に隠れている幸せを見つけること。
 そこでオススメなのが「1日3行いいこと日記」。
 その日に起こったちょっと良い出来事を寝る前に三つ、ごく簡単に書きとめ、1週間たったら計21個のよかった出来事を読み返す、というシンプルなもの。「いいこと」は「散歩中にキレイな花が咲いているのを見かけた」「料理の味付けを家族にほめられた」などささいなことで十分。最初は書くことに苦労するかもしれませんが、続けるうちに慣れてくるので大丈夫。
 実際、抑うつ症状のある人を対象に行った研究では、たった1週間「いいこと3行日記」を行っただけで、幸福度が上がっただけでなく、半年たっても抑うつ症状が抑えられていたと報告されています(Am Psychol; 60(5),410-421,2005/図1)。
3linediary.jpg また、多くの人と積極的に会話したり、活動したりすることも、元気で長生きするにはとても大切。60歳以上の1604人を6年間追跡した研究では、調査開始時に孤独を感じていた人は、そうでない人に比べ、動作全般が衰えやすく、死亡率も高いという結果が出ています(Arch Intern Med.;172(14),1078-1084,2012)。
 また、社会的なつながりの少なさは、喫煙や飲酒習慣、運動量の少なさよりも命を縮める危険性があるというデータも(PLoS Med.;7(7):e1000316,2010)。
 友人、仲間を大切にして、楽しい1年のスタートを切りましょう。

心身の健康に役立つ「野菜」の力にも注目を
 もちろん、美と健康のためには、前向きな気の持ち方や積極的な人間関係とともに、正しい生活習慣やスキンケア方法を身に付けることが必要です。そのためには、信頼のおける情報源から情報を入手し、さらにそれを正しく読みとくコツを身につけることが近道。
 "エビデンスに基づく正しい健康美容情報の提供"を行ってきた日経ヘルスでは、こうしたノウハウをカリキュラムにまとめ、2010年に健康美容情報認定講座「健康美容コミュニケーターコース」として編成しました。
 2013年1月31日に開講する第9期では、美と健康を実現する「野菜」にスポットを当てた特別講義があります。講師は、野菜の機能性研究の第一人者で、六本木アークヒルズ(東京都港区)に健康と野菜をテーマにした"八百屋さん"「ベジマルシェ」を展開するデザイナーフーズ社長の丹羽真清さん。
 丹羽さんは、2万を超える野菜について、それが秘める力を測定し、同じ種類の野菜でも、とれた時期や場所、調理法、食べる順番などによって、健康効果やおいしさに大きな違いが出ることを明らかにしてきました。
 例えば、旬の時期とそうでない時期を比べると、抗酸化力やおいしさ(糖度)が倍以上も違うということを実証。さらに、そのエビデンスをもとに、野菜作りをしている方々のバックアップをしています。
そうそう。
 もちろん野菜は、心や脳の健康や健康の維持にとても役立ちます。野菜やナッツなどに多いビタミン類が体内に多い高齢者では認知機能が高いという研究(Neurology;24,78(4),241-9,2012)や、多種類の野菜や果物を食べる人ほど病気になりにくいという研究(JAMA;283,2109-15,2000)もあるんですよ。

 丹羽さんとともに、野菜の健康機能に関するエビデンスやおいしくて力のある野菜の見極め方、効果を高める調理法などについて学んで、アンチエイジング力の高い女性を目指しましょう。

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