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第15回
ダイエット、カロリーゼロと書いてある清涼飲料を選んで飲んでいれば、太ることはない? [7月7日]

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それでも太るとする研究が発表されました。しかも、ダイエット清涼飲料を飲まない人と比べて、約10年間でのウエストの増加率はなんと5倍以上だったそうです。
 暑いうえに節電の夏が本格化してきました。薄着で過ごすことがどうしても多くなるので、お腹まわりをはじめ、少しでも無駄な脂肪は落としたいところ。そんな女子だけでなく、お腹が気になるおじさんのハートもガッチリつかんでいるのが、ローカロリー、カロリーゼロをうたった清涼飲料。「カロリーや糖分は気になるけど、冷えたジュースでのどを潤したい!」というときについ手が伸びます。夏の暑さを克服するためにも、ダイエットのためにも強い味方!の、はず・・・・・・。

 ところが、「ダイエット清涼飲料を飲んでいても太る」とする研究結果が、6月に開催された米国糖尿病学会(ADA2011)で発表され波紋を呼んでいます。この研究は、テキサス大学医学部サンアントニオ健康科学センターのチームによるもの。「ダイエット清涼飲料を1日2本以上飲んでいる人は、飲まない人に比べて約10年間でウエストの増加が平均5倍だった」と報告したのです。
 この研究結果だけでは、ダイエット清涼飲料そのものがウエスト増加原因になったのかどうかはわかりません。そもそもカロリー過多な生活をしているから、"せめても"こうした飲料を選んでいる可能性もあり、またダイエット清涼飲料を飲んでいることに安心して、結局ほかでカロリーをとっている可能性もあるからです。
 いずれにせよ、「ダイエット清涼飲料を飲んでいるから安心」と思っていると、思わぬ落とし穴があるかもしれない、とは言えそうです。

ダイエット清涼飲料で太る?
 これまで専門家の間では、ダイエットと表示された清涼飲料を飲んでいても、肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病などを発症する人が多くいることが問題視されてきました。そこで研究チームは、サンアントニオ長寿高齢化研究(San Antonio Longitudinal Study of Aging; SALSA)参加者のうち、メキシコ系アメリカ人と欧州系アメリカ人の計474人を対象に、1日当たりのダイエット清涼飲料の飲用頻度と身長、体重、ウエストの変化を調査しました。約9年半追跡調査を行ったところ、ダイエット清涼飲料を飲んでいる群は、まったく飲まない群に比べてウエストサイズが70%以上増加。さらに、毎日2本以上飲んでいる群は、飲まない人と比べて、なんと5倍以上のウエスト増加率という驚きの結果に。
 腹部の脂肪の増加は、糖尿病や心筋梗塞、がんなどの原因の一つとされています。今回の結果を踏まえて、研究チームのシャロン・フォーラーさんは「健康的な飲み物という位置づけで、ダイエット清涼飲料や人口甘味料をとることはおすすめできない」と話しています。

ダイエット飲料に含まれる人口甘味料やカラメル自体にも問題があるかも?
 一般的な清涼飲料に含まれる果糖、ブドウ糖、液糖のとりすぎと、肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームとの関連が指摘されていますが、ダイエット清涼飲料に含まれる人口甘味料やカラメルにも要注意とする研究も出てきました(World J Gastroenterol:16(21),2579-88,2010)。ある種の人口甘味料は、体重増加や肥満、インスリン抵抗性(糖尿病発症要因)と関連があり、また、カラメル色素は、インスリン抵抗性を招いたり、炎症を引き起こしたりする糖化最終生成物(AGEs)を多く含む、と指摘しています。

 カロリー以外にも、ダイエットや健康、美容のためには気をつけなくてはならないことはたくさんあります。だからこそ、商品のパッケージに表示されている情報をよく読むのはもちろん、最新のダイエット研究の結果などに敏感になり、自身の生活や食習慣に生かしていくことが必要です。

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